マンドリンとは何だろう

マンドリンとはどんな楽器?独特な美しい音色の秘密と魅力を職人が優しく解説

テレビや音楽、あるいは部活動などで「マンドリン」という名前を耳にして、「どんな楽器なんだろう?」「ギターとは何が違うの?」と調べている方へ。

イタリア生まれのこの美しい弦楽器には、他の楽器にはない独特の構造と魅力があります。今回は、マンドリンの基本的な特徴から、その奥深い音色の秘密までを専門工房の視点から分かりやすく解説します。

マンドリンとは? 基本的な特徴とギターとの違い

マンドリンは、17世紀頃にイタリアで発祥したリュート属の弦楽器です。

最大の見た目の特徴は、その愛らしい形状にあります。クラシックマンドリンの多くは、「イチジクを縦半分に割ったような」コロンと丸い背中(ボウルバック)をしています。この空洞になったボディ全体が共鳴箱となり、小さくても非常に豊かな響きを生み出します。

ギターとの大きな違いは、弦の数と調弦(チューニング)です。

  • 弦の数:ギターが6本なのに対し、マンドリンは8本の弦を持っています(2本ずつ同じ音に調弦されたペアが4対並んでいます)。
  • 音の並び:バイオリンと全く同じ音の並び(低い方からG-D-A-E)になっており、音域も高音を得意としています。

2本1組の金属弦をピックで同時に弾くことで、マンドリン特有の「キリッとした芯のある、かつ煌びやかな音色」が響き渡ります。

心に染みる、マンドリン最大の魅力「トレモロ奏法」

マンドリンの音楽を聴いて、多くの人が感動するのが「トレモロ」と呼ばれる奏法です。

マンドリンは金属の弦を弾いて音を出すため、そのままではギターやバイオリンのように音を長く伸ばすことができません。音がすぐに消えてしまうという弱点を補うために、「ピックを上下に超高速で往復させて、音を連続して繋ぎ合わせる」という独自の技術が発展しました。

このトレモロによって、まるで楽器が歌っているかのような、哀愁を帯びた、優しく美しいメロディを奏でることができるのです。

知っておきたいマンドリンの種類(ナポリ型とローマ型)

一口にクラシックマンドリンと言っても、実は形状や流派によっていくつかの種類に分かれています。代表的なのが以下の2つです。

  • ナポリ型:最も一般的で広く普及しているタイプ。ネックがやや細めで、幅広い演奏に対応しやすい特徴があります。
  • ローマ型:独自の発展を遂げたタイプ。ネックや指板の構造、糸巻きのデザインなどが異なり、より繊細で芯のある音色を好む奏者に愛されています。

これらは弾き心地や好まれる演奏スタイルが異なるため、奏者によって使用するピックの形状(丸みのある形状や、先端がシャープな形状など)を変えてバランスを取ることが一般的です。

実は「ピック1枚」で音色が劇的に変わる奥深さ

マンドリンをこれから始める方、あるいは始めたばかりの方にぜひ知っていただきたい事実があります。それは、マンドリンは「ピックの素材や厚み」によって、驚くほど音色が変わるということです。

2本の金属弦を同時に、硬いピックで擦るように弾くため、市販のプラスチック製ピックでは音がキンキンと耳に痛くなってしまうことがあります。しかし、伝統的な「べっ甲」や、それに近いしなりを持つ「セルロイド」などの上質な素材を選ぶと、信じられないほど丸く、艶のある、深みのある音色へと変化します。

マンドリンが持つ本来の美しい響きを引き出すための「素材や厚みの違い」については、こちらのページで詳しく解説しています。

マンドリンピック素材の違いを見る

まとめ|奥深いマンドリンの世界へようこそ

マンドリンは、その小さなボディからは想像できないほどの豊かな表現力と、美しいトレモロの響きを持つ素晴らしい楽器です。

当工房「SABI P!CKS」では、演奏者一人ひとりの手に馴染み、マンドリンが持つ本来の繊細なタッチと音色を最大限に引き出すためのハンドメイドピックを、1点ずつ手作業で仕上げています。これからマンドリンを体験される方も、すでに楽しまれている方も、ぜひご自身の演奏に寄り添うお気に入りの道具を見つけて、奥深いマンドリンの世界を楽しんでみてください。

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